2016年8月25日木曜日

イタリア中部地震② 支援活動

アマトリチャーナ(トマトパスタ)の生まれた町、今回地震の大被害を受けているアマトリーチェ。
2500人弱の小さな町を助けるために、イタリア国内のメディアを通してアマトリチャーナを一皿頼むごとに2ユーロ支援するという活動を始めたそうです。
http://www.tpi.it/mondo/italia/lanciata-raccolta-fondi-per-terremotati


それ以外にも支援金を送るサイト、電話番号などもあります。
http://www.lapresse.it/terremoto-per-donazioni-arriva-il-numero-solidale-45500.html

イタリアも日本も地震大国。
私も13歳の時に阪神大震災を経験しているので、支援がどれだけありがたいか痛感しています。
一人でも多くの方に届きますように。




イタリア中部地震

8月23日、24日をまたいだ未明、イタリア中部にて地震が起こりました。
首都ローマのあるラツィオ州、ウンブリア州、マルケ州の3州に渡ってマグニチュード6.4の強い、また長い揺れがあったようです。


Quel che resta dell’hotel Roma ad Amatriceアマトリーチェ、倒壊したホテルローマ
(Massimo Percossi - Ansa)
Corriere della Seraより


今回の一番の被害は、ウンブリア州アマトリーチェという人口2500人の小さな町が震源地となり、中世の町並みは一夜にしてほぼ全壊となってしまいました。
今でも救出活動が続いており、一人でも多くの方が助かることを祈っています。
また今回の震災で亡くなった方々、心よりお悔やみ申し上げます。

イタリア中部は以前から何度も地震の被害に遭っています。
1997年9月にはペルージャの少し南、アッシジという町。
今回被害の大きかったリエーティから77kmほど離れています。
フランシスコ会創設者である聖フランチェスコの出生地また亡くなった場所として知られており、また世界遺産にも登録されているコムーネ(基礎自治体)であります。
この時は、教会などが倒壊し、多大な被害を受けました。

また2009年にはアブルッツォ州の最大マグニチュード6.3のラクイラ地震。
本震の前から何度も余震があり、それを大地震に繋がると予見できなかったことが被害が拡大した一番の原因だと、当時のベルルスコーニ首相が批判し、専門家数名が起訴されるという日本では考えられないことも起こりました。
2009年はイタリアがG8サミット開催地であり、当初サルデーニャ島のリゾート地での開催予定であったが、急遽復興の意味も含め、ラクイラ周辺での開催となりました。
当時私もローマにおり、ラクイラ出身の友人がいて被災地の話などをよく聞く機会があり、ほぼ石造りの町並みは度重なる揺れで倒壊し、朝4時の大地震だったのでほとんどの方が就寝中に被害を受け、瓦礫の下敷きになったとのことでした。
一度被害状況を現地で見る機会があり、4階建ての建物が真っ二つに崩れ、残された部分には洗面所や部屋そのままが残されていて、心が痛みました。

また私の住むエミリア・ロマーニャ州も2012年5月イタリア北部地震の被害に遭っています。
ボローニャから北へ37kmのモデナ県付近で、マグニチュード6.0の地震でした。
建物の被害はもちろん、バルサミコ酢で知られるモデナ。何年も寝かせて作るバルサミコ酢の樽が倒れ、ワイン、チーズなどの食品関連でも数十億ユーロの被害があったと言われています。

そして今回再びイタリア中部での大震災。
アマトリーチェから10数キロ離れた街では、7年前の震災後耐震をしていたので、被害は一切なかったとも伝えています。
イタリアでの被害が多いのは、やっぱり石造りの中世の建物がそのまま残っていること。
100年以上前の建物を補強もなく、使い続けるというのは大きな地震が来た時には防ぎようがない気がします。
ドローンでの街の上空写真を見ると、いくつか新しい建物は崩れず残っているようで、旧市街を全て取り壊して新しくするというのではなく、外からもしくは中から鉄筋で補強するなどの対策が大切だと思います。


4年前に被害を受けたフェラーラやチェントなどの街も、教会やエステンセ城、歴史的建築物は今では外から鉄筋で補強されているのが見てわかります。
見た目が悪くなったとしても、全部壊れてしまっては元も子もありません。
イタリアが近年の震災の経験を生かして、各地で補強工事や耐震に力を入れていってくれることを期待したいです。

個人の見解や、自分で調べて書いているので間違い等あるかもしれませんが、地震大国の日本人として、また阪神大震災を経験している身として、少しでも多くの方に知ってもらいたいと思ってブログに書きました。

またいろんな記事を書きたいと思います。